2022年の航空法改正により有人地帯での目視外飛行(レベル4飛行)が解禁されます。
それに伴い日本各地でドローンの社会実装に向けた実証実験が進められています。
また農業や水産業など、様々な分野でドローン活用の機会も増えてきました。
主に産業分野での試験や点検に使われるイメージの強いドローン。
なんと、ハチ駆除にも役立てられています。
兵庫県養父市草出で行われた、ドローンを使ったスズメバチの巣駆除の事例をご紹介します。
リスクの高い従来のハチの巣駆除作業
ハチの巣駆除作業は手作業で行うのが基本でした。
しかし非常に危険の高い行為でもあります。
ハチに刺される恐れがあることはもちろん、巣は高い場所に位置するため高所作業の危険もあるからです。
今回ドローンにより駆除されたのはスズメバチの巣。
スズメバチは強力な毒針を持つハチです。
たった一匹でも、人間の命を脅かすほど危険な生物。
厚生労働省の人口動態調査によると、年間10~30名がスズメバチの攻撃により命を落としているそうです。
従来の駆除作業では、年間10~20名ほどの死者が出ていました。
スズメバチは外敵に対する防衛本能が強いため、巣に近づくことで攻撃対象となってしまうのです。さらに警戒フェロモンを出すことで仲間に危険を知らせ集団で敵に攻撃することもあります。
ドローン活用によりハチの巣駆除作業の安全性が向上
これまで手作業で行っていたハチの巣駆除。
ドローンを活用することで一気に安全性を高められるようになりました。
また巣に近づくドローンをハチが敵だと認識することで、ドローンに警戒フェロモンが付着します。これにより、ドローンにハチの群れが集まりやすくなり効率的に駆除が進められるのもメリットの一つです。
ただし精密な操作技術が必要なため、ハチ駆除にドローンを活用する場合は安定した飛行ができる環境づくりが求められます。
兵庫県北部の事例
兵庫県養父市草出では、11月上旬に2階建ての倉庫の軒にスズメバチの巣(直径は約35センチ)ができていました。
スズメバチの巣を駆除しようと活用されたドローンは幅約80センチ。数メートル離れた場所からリモコンで操縦を行いました。
バキューム機能が搭載されており、ハチや巣を吸引。
駆除作業は約2時間ほどで完了しました。
女王蜂とみられる個体含む100匹以上を退治できたそうです。
▼参考
https://mainichi.jp/articles/20211217/k00/00m/040/351000c